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【会計】旬刊『経理情報』2023年8月10日号(通巻No.1685)情報ダイジェスト


【会計】繰延資産等の会計処理、新規テーマ評価へ─ASBJ

去る7月18日、企業会計基準委員会は第506回企業会計基準委員会を開催した。主な審議事項として、去る7月3日開催の第48回企業会計基準諮問会議(2023年7月20日号(No.1683)情報ダイジェスト参照)について同会議議長から報告がされた。

■以前提案された新規テーマの状況

⑴ 株式報酬に関する会計処理および開示の取扱いの整備
株式報酬に関するテーマについて、前回以降、テーマ評価に関する追加の報告はない。

⑵ 1人私募投信の会計処理の明確化
提言に至らなかったテーマとして取り扱う。

■新規のテーマとして提案されたテーマ

⑴ 実務対応報告19号「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」の改正
株式交付費、新株予約権発行費、社債発行費、創立費および開業費の会計処理の検討が提案され、実務対応専門委員会にテーマ評価を依頼する。

⑵ 上場企業等が保有するVCファンドの出資持分に係る会計上の取扱い
公正価値評価を含む会計処理の検討が提案され、金融商品専門委員会にテーマ評価を依頼する。

委員からは、特段意見は聞かれなかった。

【会計】パーシャルスピンオフの会計処理、着実に検討進む─ASBJ、企業結合専門委

去る7月12日、企業会計基準委員会は第106回企業結合専門委員会を開催した。
第105回(2023年7月10日号(No.1682)情報ダイジェスト参照)に引き続き、「パーシャルスピンオフの会計処理」について審議された。

■連結財務諸表上の会計処理

事務局は、保有する完全子会社株式の一部を株式数に応じて比例的に配当し、子会社および関連会社株式にも該当しなくなった場合における連結財務諸表上の会計処理について、前回までに次のような提案をしていた。

●配当前の投資の修正額とこのうち配当後の株式に対応する部分の差額については、当該差額を連結株主資本等変動計算書上の利益剰余金とその他の包括利益累計額の区分に、子会社株式の配当に伴う持分の増減等その内容を示す適当な名称をもって計上する

その提案について専門委員から「子会社株式の追加取得等により生じた資本剰余金に関する支配喪失時の取扱いを踏まえると、資本剰余金として計上していたものを配当時に利益剰余金として処理することに違和感があるため、当該資本剰余金の変動項目も含めた連単の簿価差である『投資の修正額』のうち配当した株式に対応する部分は配当時に持分変動による利益剰余金の増減として処理するのではなく、連結財務諸表上の剰余金の配当としての処理のほうが望ましいのでは」との意見が聞かれていた。
この意見に対し、事務局は、会計制度委員会報告7号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」(以下、「資本連結実務指針」という)49―2項を取り上げ、一部売却の場合と異なる取扱いを行う理由は見出されず、また、パーシャルスピンオフ税制が時限的なものであることに鑑みて、事務局案を維持する旨を示した。
専門委員からは、賛成との意見が聞かれた。
また、7月18日開催の第506回親委員会でも同様の議論が行われ、委員から反対意見は聞かれなかった。

■改正案の文案検討

事務局から、企業会計基準適用指針2号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針」および資本連結実務指針について、改正案の文案が示され、検討が行われた。

【会計】信用リスクの注記事項の基準体系・開示目的を検討─ASBJ、金融商品専門委

去る7月24日、企業会計基準委員会は第203回金融商品専門委員会を開催した。
金融資産の減損に関する会計基準の開発に関して、ステップ2を採用する金融機関における開示の次の論点について審議が行われた。

■信用リスクに関する注記事項の基準体系および開示目的

⑴ 基準体系
以前より、開示目的を定めるアプローチを採用することが提案されているが、この場合、本プロジェクトは、金融商品の減損(信用リスク)に関する基準開発を目的とするものであるため、信用リスクに関する注記事項に限定して開示目的を定めるアプローチを採用すべきと考えられる。しかし、金融商品会計基準では、時価に関するものを除き、信用リスクとその他の注記事項を区分することを想定した基準体系になっておらず、信用リスクの開示目的を定めるための前段階のプロセスとして、信用リスクに関する注記事項の基準体系の整理を行うため、次の事務局案が示された。

信用リスクに関する注記事項は、金融商品会計基準において注記事項全般を定めている場合を除いて、金融商品の減損に関する新たな適用指針において定める。この場合、時価開示基準等の既存の信用リスクに関する注記事項については、既存の会計基準や実務指針から削除し、金融商品の減損に関する新たな適用指針に集約する。

専門委員からはおおむね賛意が聞かれた。

⑵ 信用リスクの開示目的
前記⑴の事務局案を前提として、信用リスクの開示目的に関するIFRS7号「金融商品:開示」の定めを取り入れるかどうかについて、次のような事務局案が示された。


  • 開示目的に関する記載を「信用リスクに関する注記における開示目的は、信用リスクが将来キャッシュ・フローの金額、時期及び不確実性に与える影響を財務諸表利用者が理解できるようにするための十分な情報を企業が開示することである」とする。

  • この目的を達成するために次の情報を提供する。
    ① 会計方針に関する事項
    ② 貸倒引当金の分解情報
    ③ 貸倒引当金の算定プロセスに関する情報
    ④ 当期および翌期以降の財務情報ヘの影響を理解するための情報

  • IFRS7号の開示目的に関する35D項、35E項を取り込む。開示目的に照らして重要性に乏しい事項は記載しないことができる。


専門委員からはおおむね賛意が聞かれたが、「②分解情報と③算定プロセスは順番を入れ替えたほうがいいのでは」といった意見が聞かれた。

■金融商品のクラス別の期首残高から期末残高への調整表の開示

⑴ IFRS7号を取り入れるか否か
事務局から、「金融商品のクラス別の調整表に関するIFRS7号の定めを取り入れるかどうかに関して、利用者である企業会計基準委員会委員および金融商品専門委員会の専門委員に意見を聞いたうえであらためて審議する。取り入れる場合には、開示目的に照らして調整表における内訳項目を判断することを強調する」などの案が示された。

⑵ 実務対応報告18号に基づき在外子会社の財務諸表が米国基準に準拠して作成されている場合の開示への影響
IFRS7号の定めを取り入れた場合のCECLモデルに基づく情報の開示方法について、「金融商品のクラス別の調整表におけるCECLモデルに基づく情報の開示方法については具体的に定めず、規範性のない教育文書などで、開示方法を示す」との事務局案が示された。

専門委員からは、反対意見は聞かれなかった。


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本記事は、旬刊誌『経理情報』に掲載している「情報ダイジェスト」より抜粋しています。
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