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【会計】金融資産の分類に関する定めは、日本基準の枠組みを維持─ASBJ、金融商品専門委

去る2022年12月21日、企業会計基準委員会は第192回金融商品専門委員会を開催した。金融資産の減損の会計基準の開発に関して、議論された。主な審議内容は次のとおり。

■金融資産の分類に関する考え方

ステップ3以降での検討に際し、契約上のキャッシュ・フローの性質(SPPI)要件やデリバティブが組み込まれた金融資産等は金融商品の分類および測定の開発を行うか否かにより、別途検討する必要がある。そのため、IFRS9号「金融商品」における金融資産の分類の定めを取り入れるかどうかについて、検討された。

⑴IFRS9号の定め

IFRS9号では、すべての金融資産を事業モデルおよびSPPI要件に基づき、事後に償却原価で測定するもの、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するもの、または純損益を通じて公正価値で測定するもののいずれかに分類しなければならない(IFRS9号4・1・1項~4・1・4項)。また、組込デリバティブについては、主契約とデリバティブを分離せず、当該金融資産全体で分類する必要がある(IFRS9号4・3・2項)。

⑵事務局案

他方で、日本基準では、金融資産の法的形態に基づいて分類し、金融資産の種類ごとに会計処理を定めている。組込デリバティブは、一定の要件を満たした場合には、組込対象である金融資産等を区分することとし、区分して管理している場合は、区分処理ができるとしている。
IFRS9号の定めをそのまま取り入れた場合、金融商品会計基準等の体系を大幅に変更することとなり、金融商品の管理手法や会計処理に多大な影響が生じ得ると考えられる。そのため、事務局は金融商品の種類を基礎とする現行の金融商品会計基準等における金融商品の分類に関する枠組みを維持したうえで、IFRS9号の減損モデルを取り入れるにあたり最小限の見直しを行うことを提案した。
なお、事務局案を採用することで、IFRS任意適用企業において、連結財務諸表の一定程度の修正が必要となるが、金融商品の種類ごとの分類に適切な測定を組み合わせることにより、連結修正を少なくすることができると考えられる。

⑶専門委員の意見

専門委員からは事務局案を採用することに異論は聞かれなかったが、「連結修正など、実務にどの程度の影響が生じるのかは、あらためて整理していくべき」との意見が聞かれた。

⑷親委員会での意見

2022年12月26日に開催された第493回親委員会でも、同様のテーマの議論がされた。
委員からは賛成意見が多く聞かれ、「IFRS9号の分類の定めは日本基準と相いれない。連結修正で『分類に適切な測定を組み合わせる』との記述は、もっと書き込んで結論の背景に入れたほうがよい」といった意見が聞かれた。

■減損に関する会計基準の体系

金融資産の減損に関する会計基準の現時点で想定される体系として、IFRS9号の金融商品の減損に関する定めのうち、会計基準に相当すると判断された内容は金融商品会計基準において定め、残りは新たに開発する適用指針にて定めること、金融商品会計基準に取り込む際には、会計基準レベルで取り込む内容は原則としてIFRS9号と同一の内容とすること等が示された。
専門委員からは、「会計基準の改訂に際しては、注記事項についても今後議論が必要では」との意見が上がり、事務局は「注記についてはこれまであまり検討できていなかった。議論を進めていきたい」と回答した。


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