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【会計】将来予測情報の考慮、検討─ASBJ、金融商品専門委

去る6月28日、企業会計基準委員会は第183回金融商品専門委員会を開催した。金融資産の減損の会計基準の開発に関し、ステップ2で優先して検討する論点のうち、合理的で裏づけ可能な将来予測情報の考慮について検討された。

■ 事務局提案

⑴ 検討の進め方

ステップ2で取り上げる論点のうち、将来予測情報の考慮が本基準の開発に取り入れられた場合、実務上の困難性があると考えられる論点は次のとおり。

① 信用リスクの著しい増大
② 複数シナリオの考慮を含めた結果の確率加重
③ 信用リスクを見積る期間

このうち、①・②は、予想信用損失の見積りへの将来予測情報の反映としてまとめて検討する。③は、将来予測情報を考慮できる期間と信用リスクを見積る期間の間に差異がある場合に関連する論点が存在するため、①・②とは別に検討する。

⑵ 予想信用損失の見積りへの将来予測情報の反映

①・②に関するIFRS9号「金融商品」における定め(①はIFRS9号5・5・11項、②は同5・5・17項)等を踏まえると、適用に際しての実務上の困難性は「将来予測情報としてどのような情報を用いるか」、「どのように予想信用損失の見積りに反映させるか」に分けられると考えられる。前者は、たとえばマクロ経済指標(GDPや失業率など)を用いる例が挙げられ、これは日本企業でも用いられている。
後者について、わが国の貸倒見積高の算定において将来予測情報を考慮することは一般的ではないが、すでに管理上用いられているデータを利用して将来予測情報を予想信用損失の見積りに反映することが考えられる。
他方、IFRS9号と同様に基準や適用指針で特定の情報や反映方法に言及することは、企業の実情に応じた判断を阻害するおそれがあると考えられる。

⑶ 信用リスクを見積る期間

前回専門委員会(2022年7月1日号(No.1648)情報ダイジェスト参照)では、③について、予想存続期間が1年未満の金融資産の取扱いを除き、IFRS9号の定め(付録Aの信用損失の定義)をそのまま取り入れることにおおむね異論は示されなかった。
将来予測情報の入手可能な期間が貸付金の予想存続期間より短い場合、将来予測情報の入手が困難となる可能性がある。一方で、IFRS9号では、予想存続期間の全体にわたる将来の予測を織り込むことは要求されないとする実務上の便法等が示されている。そのため、IFRS9号の定めを取り入れたとしても実務上の困難性が生じる可能性は低いと考えられる。

以上を踏まえ、事務局は将来予測情報の考慮に関して、IFRS9号の原則となる考え方および要求事項の趣旨はそのまま取り入れるものの、具体的な手法を詳細に会計基準等では示さないことを提案した。

■ 専門委員の意見

専門委員からは「基準だけだと実務のイメージがわきにくい。具体的な手法も、設例やガイダンスなどで紹介するのがよいのでは」といった意見が挙がった。

■ 親委員会の議論

6月29日開催の第482回親委員会でも同様の議論がされ、委員からは、「将来予測情報の考慮の方法に関して、企業ごとの自由度を確保してほしい」などの意見が聞かれた。


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