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【会計】改正リース会計基準に伴う収益認識基準の改正、検討─ASBJ、リース会計専門委

去る7月4日、企業会計基準委員会は第117回リース会計専門委員会を開催した。
主な審議事項は次のとおり。

■ 表示および注記

第482回親委員会(2022年7月20日号(No.1650)情報ダイジェスト参照)に引き続き、次の審議が行われた。

⑴ 借手の表示

事務局から、IFRS16号「リース」と整合的なものとする方針が示され、すべての企業に対し、使用権資産について固定資産に新しい「使用権資産」の区分を設けて表示するとの案が示された。
また、この案が支持されない場合は、たとえば、次のいずれかの表示方法にすることが提案された。

① 原資産が有形固定資産か無形固定資産かによって、それぞれの資産に区分して表示
② 対応する原資産を自ら所有していたと仮定した場合の表示項目に含めて表示

前回の親委員会では事務局案に賛成の意見も聞かれたが、専門委員からは賛成意見は聞かれず、「新たな区分までは不要では」、「①と②の選択適用にすべき」といった意見が聞かれた。

⑵ 借手の注記

IFRS16号と同様の開示目的を定める案が示された。短期リースおよび少額資産のリースに係る費用を開示し、少額資産のリースは、重要性に乏しい資産の便法、300万円以下の便法、5千米ドル以下の便法のすべてについても開示する案が示された。前回親委員会の委員の意見と同様、専門委員からも「重要性が乏しいから簡便法を使っているのに、それを開示するのはどうなのか」との意見が聞かれた。

⑶ 貸手の表示・注記

表示については、現行の定めを維持し、注記については、IFRS16号と同様の開示目的を定める案が示された。

■ IFRS16号の設例の取扱い

第482回親委員会に引き続き、審議された。
設例8「シャツに関する契約」は採り入れず、設例9「エネルギー・電力に関する契約」および設例10「ネットワーク・サービスに関する契約」を採り入れる案が示された。

■ 収益認識会計基準等の修正

リース会計基準の改正に伴う収益認識会計基準等の修正について、次の案が示された。

・貸手による知的財産のライセンスの供与は、改正リース会計基準の範囲から除外し、収益認識会計基準で処理する。
・借手による無形固定資産のリースには、リース会計基準を適用することを(強制ではなく)容認するにとどめる。

専門委員からは「貸手の取扱いも、借手と同様に容認規定でよいのでは」との意見が挙がった。
また、日本公認会計士協会が公表している、業種別監査委員会報告19号「リース業における金融商品会計基準適用に関する当面の会計上及び監査上の取扱い」についても、改正の検討が行われた。


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