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【会計】パーシャルスピンオフの限定的な取引の会計処理を早期検討へ─ASBJ、企業結合専門委

去る6月21日、企業会計基準委員会は第105回企業結合専門委員会を開催した。
第104回(2023年7月1日号(No.1681)情報ダイジェスト参照)に引き続き、「パーシャルスピンオフの会計処理」について審議された。

■基準開発の方向性

事務局は、前回の企業結合専門委員会にて、基準開発の範囲として案B(パーシャルスピンオフに限定せず、連結財務諸表における子会社株式を配当したケースを網羅的に示すことを目的として、想定しているすべてのパターンにおける会計処理の定めを設ける)で進めていく考えを示していた。

⑴ 親委員会での議論

6月13日開催の第503回親委員会では、委員から、「現実に発生する可能性が高いと考えられるパーシャルスピンオフに絞って、『支配を喪失して関連会社にも該当しなくなった場合(例外的な取扱い)』に限定して定めを設ける」とする案Aを支持する意見が多く聞かれた。これを受け、事務局から「まずは現実に多く取引が発生し得るファクトパターンに限定して基準開発を行い、他のパターンはニーズに応じて追加検討する」との方向性が示された。

⑵ 専門委員会での議論

事務局から、⑴の親委員会の議論の内容が紹介され、「早期の基準開発を優先して行っていく」との説明がされた。
専門委員からは、「案Aで進めるということは、すなわち、例外的な取扱いの範囲は案1(子会社株式および関連会社株式にも該当しなくなる一部留保の株式分配(按分型)について例外的な取扱いをする)ということになる。これまで専門委員会では、案2(子会社株式に該当しなくなる一部留保の株式分配(按分型)について例外的な取扱いをする)を前提に話を進めてきたが、今後案2に該当するようなパターンについて検討する余地はあるのか」といった意見が聞かれた。
事務局は、「案1、案2ということではなく、現時点で発生する可能性が高いと考えられるファクトパターンについての会計処理を定めていく。ただし、今後他のさまざまなパターンのニーズが出次第、検討する可能性はある」と説明した。

■税効果会計の処理

事務局は、前記の基準開発の方針に該当する会計処理(支配を喪失して関連会社にも該当しなくなった場合(例外的な取扱い))に係る税効果会計について、「個別財務諸表上の子会社に対する投資の簿価と連結財務諸表上の子会社に対する簿価が異なることから、子会社に対する投資に係る連結財務諸表固有の将来減算一時差異に係る繰延税金資産の会計処理が論点となる」という考えを示した。
その論点に対して、税効果会計適用指針22項を挙げたうえで、「個別財務諸表および連結財務諸表のいずれにおいても適正な帳簿価額で配当したとして会計処理し、現物配当に係る損益を計上しない」とする事務局案を示した。
専門委員からは、特に異論は聞かれなかった。


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