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旬刊『経理情報』2024年5月10日・20日合併号(通巻No.1710 )情報ダイジェスト/会計


【会計】継続企業・後発事象の調査研究の位置づけ、検討─ASBJ


去る4月22日、企業会計基準委員会は、第524回企業会計基準委員会を開催した。
主な審議内容は以下のとおり。

■継続企業および後発事象に関する調査研究

第522回親委員会(2024年4月10日号(No.1707)情報ダイジェスト参照)に引き続き、JICPAの実務指針等のASBJへの移管に伴う、「継続企業及び後発事象に関する調査研究」について、審議が行われた。
本調査研究の位置づけを明確にすべきとの意見に対し、実務指針等の移管の実行可能性に関する分析をまず示し、仮に移管が実行可能であれば、過去の審議状況や国際動向を基準開発の範囲に含めるかに関する分析を記載する形の修正案が示された。
委員からは異論は聞かれず、公表に向けて次回最終版が示される方向。

■金融資産の減損

第216回金融商品専門委員会(2024年5月1日号(No.1709)情報ダイジェスト参照)に引き続き、ステップ4(信用リスクに関するデータの詳細な整備がなされていない金融機関に適用される会計基準の開発)採用金融機関における次の論点について検討が行われた。
⑴ 貸付金に関連する手数料の取扱い
債権における予想信用損失の算定および償却原価の算定で、実効金利に代わり約定金利を用いるオプションにおいて、貸付金に関連する手数料は金利と切り離したうえで、収益認識会計基準に準じて会計処理するとの提案に関して意見が聞かれており、事務局から、次の再提案が示された。

・金融商品会計基準等において、手数料の性質に基づき、履行義務の充足パターンに沿って収益を認識することを会計基準で定めたうえで、次の内容に対応する手数料と収益認識時期を、例示として結論の背景に記載する。
① 契約締結に係る諸業務 ➡ 一時点で収益認識。
② 一定期間にわたり提供される役務、貸付金の金利水準の調整 ➡ 契約期間等にわたり収益認識。
・履行義務を区分することが困難な手数料に関しては、契約期間等にわたり収益認識できると考えられる旨を結論の背景に記載する。

委員からは、賛意が聞かれた。
⑵ 満期保有目的の債券およびその他有価証券に分類される債券の取扱い
ステップ4において、次のような事務局案が示された。
① 償却原価の償却方法
定額法を適用するオプションを設ける。
② 予想信用損失モデルの測定
予想信用損失モデルの適用対象としつつ、予想信用損失を算定する実務上の対応等について補足文書に記載する。

委員から、事務局案に賛成意見が聞かれたが、「債券を予想信用損失モデルの対象とするかは、分類・測定の議論も踏まえて検討を」との意見も聞かれた。

■ユーロ円TIBORの恒久的な公表停止への対応

第216回金融商品専門委員会(2024年5月1日号(No.1709)情報ダイジェスト参照)に引き続き、ユーロ円TIBORの公表停止について、議事概要にて、実務対応報告40号における金利指標置換後の取扱いおよび注記事項に対して適用時期の延長などの追加的な対応は行わない旨を明示する案が示され、異論は聞かれなかった。

■リース会計基準の開発

第147回リース会計専門委員会(2024年5月1日号(No.1709)情報ダイジェスト参照)に引き続き、貸手のオペレーティング・リースの代替的な取扱い等について、審議が行われた。
リースを構成する部分としない部分の区分において、移転の時期およびパターンが同一である場合、両部分を単一の構成要素とする代替的な取扱いを提案していたところ、「移転の時期およびパターン」が何を指すか不明確といった意見が聞かれていた。
事務局からは、収益の計上の時期およびパターンであることを明記する対応案が示された。
委員からは特段異論は聞かれなかった。


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本記事は、旬刊誌『経理情報』に掲載している「情報ダイジェスト」より抜粋しています。
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