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旬刊『経理情報』2024年1月10日・20日合併号(通巻No.1699)情報ダイジェスト/法務ほか


【法務】重要な契約に関する改正開示府令等、公表―金融庁

去る2023年12月22日、金融庁から、内閣府令81号「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」および企業内容等開示ガイドラインの改正が公表された。
重要な契約について、開示すべき契約の類型や求められる開示内容を具体的に明らかにすることで、適切な開示を促すことを目的として、2023年6月30日に改正開示府令等の公開草案(2023年8月1日号(No.1684)情報ダイジェスト参照)が公表されていた。本公開草案に寄せられたコメントを踏まえ、最終化されたもの。

■企業・株主間のガバナンスに関する合意

有報等の提出会社(持株会社の場合はその子会社を含む)が、提出会社の株主との間で、次のガバナンスに影響を及ぼし得る合意を含む契約(重要性の乏しいものを除く)を締結している場合、当該契約の概要や合意の目的およびガバナンスへの影響等の開示を求める。

(a)役員候補者指名権の合意
(b)議決権行使内容を拘束する合意
(c)事前承諾事項等に関する合意

■企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意

有報等の提出会社が、提出会社の株主(大量保有報告書を提出した株主)との間で、次の株主保有株式の処分等に関する合意を含む契約(重要性の乏しいものを除く)を締結している場合、当該契約の概要や合意の目的等の開示を求める。

(a)保有株式の譲渡等の禁止・制限の合意
(b)保有株式の買増しの禁止に関する合意
(c)株式の保有比率の維持の合意
(d)契約解消時の保有株式の売渡請求の合意

■ローン契約と社債に付される財務上の特約

(1)臨時報告書の提出
有報等の提出会社が、財務上の特約の付されたローン契約の締結または社債の発行をした場合(既締結契約や既発行社債に新たに財務上の特約が付される場合も含む)であって、その元本または発行額の総額が連結純資産額の10%(公開草案では3%)以上の場合には、契約の概要(契約の相手方の属性、元本総額および担保の内容等)や財務上の特約の内容を記載した臨時報告書の提出を求める。
前記の財務上の特約に変更があった場合や財務上の特約に抵触した場合には、財務上の特約の変更内容や抵触事由等を記載し臨時報告書の提出を求める。
(2)有報等への記載
有報等の提出会社が、財務上の特約の付されたローン契約の締結または社債の発行をしている場合であって、その残高が連結純資産額の10%以上である場合(同種の契約・社債はその負債の額を合算する)、当該契約または社債の概要および財務上の特約の内容の開示を求める。

有報等への記載に関して、記載すべき事項の全部または一部を同一開示書類の他の箇所(たとえば、財務諸表の注記等)に記載した場合には、その旨を記載することによって、当該他の箇所において記載した事項の記載を省略することができる旨が追加されている。

■適用日

2024年4月1日から施行される。
前記「ローン契約と社債に付される財務上の特約」(1)の臨時報告書の提出は、2025年4月1日以後提出される臨時報告書から適用される。
それ以外の有報等への記載は、2025年3月31日以後終了事業年度に係る有報等から適用される。

【監査】期中レビュー基準案、公表─企業会計審議会監査部会

去る2023年12月14日、金融庁は、企業会計審議会第55回監査部会(部会長:堀江正之・日本大学商学部教授)を開催した。
前回(2023年10月1日号(No.1689)情報ダイジェスト参照)に引き続き、四半期報告書制度廃止後の中間財務諸表および四半期決算短信のレビューについて、審議が行われた。
今回は、前回の議論の内容を踏まえ、「四半期レビュー基準の期中レビュー基準への改訂及び品質管理基準の改訂(公開草案)」の文案について審議された。

■改訂案の概要

前回、四半期レビュー基準について、半期報告書に含まれる中間財務諸表のレビューに加え、四半期決算短信におけるレビューもカバーする「期中レビュー基準」(仮称)を策定すべき、との意見が聞かれたことを受け、四半期レビュー基準を「期中レビュー基準」と名称変更し、年度の財務諸表の監査を実施する監査人が行う期中レビュー業務のすべてに共通するものとして、監査基準と同様に、一般目的または特別目的の期中財務諸表を対象とした適正性または準拠性に関する結論の表明が可能であることを明確化する。
また、レビュー報告書の利用者が適正性と準拠性の相異を理解したうえで利用できるかどうかが重要であることを踏まえ、意見書の前文に次を明記する。

・「適正性に関する結論」と「準拠性に関する結論」のいずれの場合も、「経営者が採用した会計方針が会計の基準に準拠し、それが継続的に適用されているかどうか、その会計方針の選択や適用方法が会計事象や取引の実態を適切に反映するものであるかどうかに加え、期中財務諸表が表示のルールに準拠しているかどうかの評価をしなくてはならない」こと
・期中財務諸表における表示が利用者に理解されるために適切であるかどうか判断するために、「適正性に関する結論」の場合、監査人は財政状態や経営成績等を利用者が適切に理解するにあたって期中財務諸表が全体として適切に表示されているか否かについての一歩離れて行う評価が含まれるのに対して、「準拠性に関する結論」の場合はその評価が行われないという違いがあること

委員からは、おおよそ案に賛成の意見が聞かれたものの、「適正性と準拠性の違いがわかりにくい。混乱しないよう周知していくことが重要」との意見が多く聞かれた。

■公開草案の公表

前記の議論を経て、2023年12月21日、企業会計審議会監査部会は、「四半期レビュー基準の期中レビュー基準への改訂及び監査に関する品質管理基準の改訂について(公開草案)」を公表した。
コメント期限は、2024年1月24日。

【会計】中間財務諸表会計基準案等、公表─ASBJ

去る2023年12月13日、企業会計基準委員会は、第516回企業会計基準委員会を開催した。
主な審議事項は以下のとおり。

■四半期報告書制度の見直し

第515回親委員会(2023年12月20日号(No.1697)情報ダイジェスト参照)に引き続き、金商法改正による四半期報告書制度の見直しに伴う企業会計基準公開草案「中間財務諸表に関する会計基準(案)」および企業会計基準適用指針公開草案「中間財務諸表に関する会計基準の適用指針(案)」について審議が行われ、出席委員全員の賛成で公表議決された(12月15日、企業会計基準公開草案80号および企業会計基準適用指針公開草案82号として公表。コメント期限は2024年1月19日)。

■企業会計基準諮問会議からのテーマ提言への対応

第515回親委員会(2023年12月20日号(No.1697)情報ダイジェスト参照)で報告された、企業会計基準諮問会議からのテーマ提言について、事務局から次の対応方針案が示された。

・上場企業等が保有するVCファンドの出資持分に係る会計上の取扱いをASBJの新規テーマとする。
・検討を行うにあたっては、同諮問会議で示された「VCファンドに相当する組合等の構成資産である市場価格のない株式を中心とする限定した範囲での対応を求める旨」の付記の内容を考慮し、審議を行う。
・金融商品専門委員会において対応する。

委員からは、賛成意見が聞かれ、対応方針案が了承された。

■リース会計基準の開発

第139回リース会計専門委員会(2024年1月1日号(No.1698)情報ダイジェスト参照)に引き続き、企業会計基準公開草案73号「リースに関する会計基準(案)」等へのコメント対応について、審議が行われた。
サブリース取引の例外的取扱いとして、適用指針案88項で、中間的な貸手がヘッドリースに対してリスクを負わないサブリース取引(以下、「本取引」)の場合は、一定の時点で貸手として受け取るリース料と借手として支払うリース料の差額を損益に計上することができると提案している。
これについて、本取引となる要件の1つである、「中間的な貸手は、サブリースの契約条件と、サブリースの借手が存在しない期間における原資産の使用方法の、いずれを決定する権利も有さない」の要件の充足を要しないとすべきとの意見や、この要件を削除すべき等の意見が寄せられているが、これらに対して、公開草案から変更しない事務局対応案が示された。
委員からは、賛成意見が聞かれ、「議論の過程を丁寧に結論の背景などに記載すべき」との意見が聞かれた。


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本記事は、旬刊誌『経理情報』に掲載している「情報ダイジェスト」より抜粋しています。
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