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【会計】ファイナンスに係る排出の測定・開示等について検討─SSBJ設立準備委

去る6月23日、SSBJ設立準備委員会は第10回会合を開催した。第9回会合(2022年7月1日号(No.1648)情報ダイジェスト参照)に引き続き、IFRS S1号(以下、「S1基準案」という)とIFRS S2号(以下、「S2基準案」という)に対するコメント文案について審議が行われた。

■ S2基準案(新たに議論された論点)

⑴ ファイナンスに係る排出およびファシリテーションに係る排出

事務局は、ファイナンスに係る排出の産業別開示要求を定めることには同意できるとし、他のスコープ3排出の開示要求と同様、算定実務の進展にあわせて段階的に導入を図る必要があり、導入方法として次の3点を考えている。

⑴ 移行リスクが比較的高いと考えられる産業から段階的に導入する方法
⑵ 資産クラスごとに段階的に導入する方法
⑶ 投融資先のスコープ1排出およびスコープ2排出から導入し、スコープ3排出については段階的に導入する方法(またはこれらの組み合せ)

委員からは、「事務局は、段階的に導入すべき理由のなかでPCAF(金融向け炭素説明のためのパートナーシップ)基準を挙げているが、PCAF基準で求められている水準を暫定的にスターティングポイントとするべきと伝えては」との意見が聞かれ、事務局は「もう少し意見を聞きつつ検討したい」と回答した。

⑵ 絶対量および原単位に基づく両方のファイナンスに係る排出

事務局は、原単位に基づくファイナンスに係る排出量についての情報は、絶対量に基づく情報を補足する有用な情報であるとの理解を示している。ただし、当該情報は、要求するのではなく、ビジネス目標と関連性がある場合など一定の場合にのみ開示を推奨することを考えている。
委員からは、「絶対量と原単位はセクターによって考え方が異なる。開示推奨の理由としてPCAF基準を挙げているが、削除すべき」との意見が聞かれ、事務局は「PCAF基準は実務に浸透していると聞いているため取り上げている。検討する」と回答した。

■ S1基準案

前回の審議でISSBの公表物を「基準」と「適用指針」の2種類に分けることを提案していた。今回、事務局の意図をより明確に伝えるために言葉遣いを見直し、「本体(main body)」と「別紙(addendum)」という名称で提案している。また、「本体」と「別紙」はすべて要求事項になるとの考えを示した。
委員からは「別紙に含めるものをISSBが議論し決定するためのデュープロセスが重要」との意見が聞かれた。

SSBJ設立準備委員会の活動は6月末まで。7月1日からはサステナビリティ基準委員会(SSBJ)に引き継がれる。


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