旬刊『経理情報』2025年1月1日号(通巻No.1731)情報ダイジェスト②/会計
【会計】後発事象に関する会計基準の開発、検討開始─ASBJ
去る2024年12月3日、企業会計基準委員会は、第537回企業会計基準委員会を開催した。
主な審議事項は次のとおり。
■企業会計基準諮問会議からの報告
第52回企業会計基準諮問会議(2024年12月20日号(№1730)情報ダイジェスト参照)における審議内容について同議長から報告がされた。
新規テーマとして、譲受人が特別目的会社である場合の金融資産の消滅範囲の明確化が提案され、ASBJに提言することとされた旨が報告された。
■金融資産の減損
第229回金融商品専門委員会(2024年12月20日号(№1730)情報ダイジェスト参照)に引き続き、金融資産の減損に関して、IFRS9号「金融商品」の減損の定めの新たに開発する適用指針への取入れ方について審議が行われた。
今回はそのうちB5.5.1項からB5.5.27項までについて、これらのうち重要な定めを新適用指針に取り入れ、解説的な内容や例示である部分は取り入れない形で峻別する事務局案が示された。
また、B5.5.12項からB5.5.15項の定め(SICRが生じたかの評価および予想信用損失の測定の際に信用損失率アプローチなどを使用する際に考慮すべき事項等)について、信用損失率アプローチ等に関する取扱いへの対応案として、次の2案が示された。
委員からは「ステップ4採用の金融機関にも有用」など、案2への賛成意見が多く聞かれた。
■VCファンドの出資持分
上場企業等が保有するベンチャーキャピタル(VC)ファンドの出資持分に係る会計上の取扱いに関する移管指針公開草案15号(移管指針9号の改正案)「金融商品会計に関する実務指針(案)」に寄せられたコメントの紹介が行われた。
■四半期報告書制度の見直しへの対応
第535回親委員会(2024年11月20日号(№1727)情報ダイジェスト参照)で検討が開始された中間会計基準等と四半期会計基準等を統合した(仮称)期中会計基準等の開発について、審議が行われた。
事務局より、中間会計基準等と四半期会計基準等の定めを基本的に引き継ぎ、章立てを次のとおり変更する案が示された。
委員から賛成意見が聞かれた。
■後発事象に関する会計基準
第531回親委員会(2024年9月10日号(№1720)情報ダイジェスト参照)で開発することが決定していた後発事象に関する会計基準について、審議が行われた。
事務局から、プロジェクトの範囲について、後発事象に関する会計基準の開発は、監基報560実務指針1号「後発事象に関する監査上の取扱い」(以下、「監基報560実1」という)を移管し、後発事象の定義、会計処理および開示等を取り扱う包括的な会計基準を設定することを優先的な課題とし、次の2つのフェーズのうち、まずはフェーズ1のみを本プロジェクトの範囲とする案が示された。
委員からは賛意が聞かれた。
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本記事は、旬刊誌『経理情報』に掲載している「情報ダイジェスト」より抜粋しています。
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