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【会計】旬刊『経理情報』2023年8月20日・9月1日合併号(通巻No.1686)情報ダイジェスト


【会計】金融資産の減損に係る信用リスクの注記、検討─ASBJ

去る8月2日、企業会計基準委員会は第507回企業会計基準委員会を開催した。
主に、金融資産の減損に関する会計基準の開発について、第203回金融商品専門委員会(2023年8月10日号(No.1685)情報ダイジェスト参照)に引き続き、次の論点の審議が行われた。

■信用リスクに関する注記事項の基準体系および開示目的

事務局から、次のような案が示された。

① 開示目的を定めるアプローチを採用するにあたり、信用リスクに関する注記事項は、金融商品の減損に関する新適用指針で定める。
② 信用リスクの開示目的は、信用リスクが将来CFの金額、時期および不確実性を利用者が理解できるようにするための十分な情報を企業が開示することとする。

委員からは、賛意が聞かれたが、「①で、適用指針より会計基準に入れるほうが適当では」との意見も聞かれた。

■金融商品のクラス別の期首残高から期末残高への調整表の開示

事務局から、次のような案が示された。

① IFRS7号「金融商品:開示」の定めを取り入れるか否かを、利用者である親委員会・金融商品専門委員会等の委員に意見を聞き、あらためて審議する。
② 調整表における米国基準のCECLモデルに基づく情報の開示方法は具体的に示さず、規範性のない教育文書でいくつかの方法を示す。

委員からは、異論は聞かれなかったが、「②で教育文書でなく結論の背景で示すのも一案では」との意見も聞かれた。

【会計】パーシャルスピンオフの税効果会計の取扱い、検討─ASBJ、企業結合専門委 

去る7月26日、企業会計基準委員会は第107回企業結合専門委員会を開催した。
第106回(2023年8月10日号(No.1685)情報ダイジェスト参照)に引き続き、「パーシャルスピンオフの会計処理」について審議された。

■税効果会計

事務局は、第105回企業結合専門委員会および第504回親委員会において、基準開発対象ケース(保有する完全子会社株式の一部につき按分型の配当をし、子会社株式・関連会社株式のいずれにも該当しなくなった場合)における税効果会計について、「個別・連結のいずれにおいても適正な帳簿価額で配当したとして会計処理し、現物配当に係る損益を計上しない」とする案を提案していた。その際、結論の方向性についてはおおむね賛同を得ていたものの、「結論に至る理屈について整理すべき」、「繰延税金負債の会計処理を含めた全体像を示すべき」という意見や、一時差異や繰延税金資産の定義に関する意見も聞かれた。
そのため、事務局は株式分配実施会社の税効果会計について、次のように再提案を行った。

●基準開発ケースについては、連結固有の将来減算一時差異または連結固有の将来加算一時差異の定義に直接該当しないものの、その定義に準ずるものとして、同じ取扱いをする。

●留保利益の税効果を除く、基準開発ケースにおいての株式分配会社の税効果会計については、税効果適用指針8項の定めに従って処理をすることが考えられるため、税効果適用指針の定めを変更する必要はない。

専門委員からは、「留保利益の税効果は別と分析されているが、留保利益のなかでも配当により解消する部分の扱いが別ということであって、これでは売却により解消される部分が含まれてしまう。留保利益ではなく、配当という言葉を使って表現したほうが正確なのではないか」という意見が聞かれた。
事務局は「ご指摘のとおり」とし、書き直す機会があれば、正確に表現するように努めるとした。
また、8月2日開催の第507回親委員会でも審議が行われ、異論は聞かれなかった。

■改正案の文案検討

前回に引き続き、企業会計基準適用指針2号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針」および会計制度委員会報告7号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」について、改正案の文案の検討が行われた。
 

【会計】グローバル・ミニマム課税の当期税金の取扱い等、検討─ASBJ、税効果会計専門委 

去る7月31日、企業会計基準委員会は第85回税効果会計専門委員会を開催した。
グローバル・ミニマム課税(以下、「GM課税」という)に関する改正法人税への対応について、審議が行われた。
本年3月公表の実務対応報告44号で当面の取扱いについては手当てされ、残りの論点について検討が行われるもの。主な審議事項は次のとおり。

■当期税金

⑴ 連結・個別財務諸表におけるGM課税の表示
連結・個別財務諸表において、GM課税を法人税等として表示する事務局案が示された。専門委員からは多くの賛成意見が聞かれた。

⑵ 法人税等(当期税金)の計上時期および見積りの取扱い
当期税金の計上時期および見積りについて、次の事務局案が示された。

① 年度の連結・個別においては、経過措置は定めず、適用初年度よりGM課税制度に基づく上乗せ税額を法人税等(当期税金)に計上する。

② 企業における見積りが明らかに不合理である場合を除き、財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて最善の見積りを行った結果として見積られた金額については、事後的な結果との間に乖離が生じたとしても、「誤謬」には当たらない旨を結論の背景に記載する。

③ GM課税制度の適用初年度は、四半期財務諸表において、GM課税制度に基づく上乗せ税額を法人税等(当期税金)に計上しないことができる旨を定める。

専門委員からは、賛成意見が聞かれた。そのほかに、「②の取扱いはコロナ対応のような、かなり特殊なケースで入れるべき。見積りの精度に偏りが出てしまう懸念がある」、「③では、適用初年度だけでなく2年目も影響があるのではないか」といった意見が聞かれた。

■繰延税金

GM課税制度は、調整項目が一時差異に該当するか否かおよび税効果会計を適用すべきか否かが必ずしも明らかでなく、税効果会計の基準開発を行った場合、IASBおよびFASBが継続して基準開発した際の結論と相違する可能性があるといった理由から、実務対応報告44号の当面の取扱いの適用を継続する案が示された。
専門委員からは特段異論は聞かれなかった。

事務局より、2024年4月の税制適用前に最終化する目標が示された。


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本記事は、旬刊誌『経理情報』に掲載している「情報ダイジェスト」より抜粋しています。
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