エクセルの使い方(税務応用編)|【連載】ChatGPTが税理士のパートナーになる未来(第3回)
『税務弘報』2023年8月号掲載の特別インタビュー「ChatGPTが税理士のパートナーになる未来—過渡期にあるAIと税務の関係を聞く」では、税理士の業務に対するAIの活用方法や、将来的な共存体制について、積極的なAI活用を試みている税理士の山田典正先生に伺いました。
本記事では、本誌には盛り込むことができなかったChatGPTの使用例より、「エクセルの使い方(税務応用編)」をご紹介します。
「エクセルの使い方(導入編)」を読んだうえで、読み進めていただくと、より理解が深まります。(編集部)
ChatGPT:
A列に名前が、B列に数字が入力されている場合、A列で「消費税」という文字列を含むセルのB列の数字を合計するためには、以下の手順を実行します。
別のセル(例えばC1セル)に、以下の数式を入力します。
=SUMIF(A:A, "*消費税*", B:B)
この数式は、SUMIF関数を使用して、A列で「消費税」という文字列を含むセルのB列の数字を合計しています。
入力した数式を実行すると、C1セルに合計が表示されます。
この方法で、「消費税」という文字列を含むセルのB列の数字を合計することができます。もし、合計対象の範囲がA列とB列以外の場合は、数式内のA:AとB:Bの範囲を適宜修正してください。
ChatGPT:
課税所得の金額がA1に表示されている場合、上記の所得税の税率と控除額を考慮して税額を計算するために、以下のエクセル関数を使用します。
=IF(A1 <= 1949000, A1 * 0.05,
IF(A1 <= 3299000, A1 * 0.1 - 97500,
IF(A1 <= 6949000, A1 * 0.2 - 427500,
IF(A1 <= 8999000, A1 * 0.23 - 636000,
IF(A1 <= 17999000, A1 * 0.33 - 1536000,
IF(A1 <= 39999000, A1 * 0.4 - 2796000,
A1 * 0.45 - 4796000))))))
この数式は、課税所得金額(A1セル)に基づいて所得税を計算します。条件分岐(IF関数)を使用して、範囲ごとの税率と控除額を適用します。
数式を入力すると、A1セルの課税所得金額に対して計算された所得税額が表示されます。
なお、数式内の金額や範囲が変更された場合は、適宜数式を修正してください。
ChatGPT:
給与等の収入金額がA1に入力されている場合、給与所得控除額を計算するために、以下のエクセル関数を使用します。
=IF(A1 <= 1625000, 550000,
IF(A1 <= 1800000, A1 * 0.4 - 100000,
IF(A1 <= 3600000, A1 * 0.3 + 80000,
IF(A1 <= 6600000, A1 * 0.2 + 440000,
IF(A1 <= 8500000, A1 * 0.1 + 1100000,
1950000)))))
この数式は、給与等の収入金額(A1セル)に基づいて給与所得控除額を計算します。条件分岐(IF関数)を使用して、範囲ごとの給与所得控除額を適用します。
数式を入力すると、A1セルの収入金額に対して計算された給与所得控除額が表示されます。
なお、数式内の金額や範囲が変更された場合は、適宜数式を修正してください。
ChatGPT:
役員に貸与する社宅の賃貸料相当額を計算するために、以下のエクセルの入力例を作成します。
セルA1: 建物の固定資産税課税標準額(円)
セルA2: 建物の総床面積(平方メートル)
セルA3: 敷地の固定資産税課税標準額(円)
セルB1: (1)の計算式
=A1 * 0.002
セルB2: (2)の計算式
=12 * (A2 / 3.3)
セルB3: (3)の計算式
=A3 * 0.0022
セルB4: 賃貸料相当額の合計計算式
=B1 + B2 + B3
このように入力することで、(1)から(3)までの計算結果が表示され、セルB4に賃貸料相当額の合計が計算されます。
なお、具体的な数値や単位については、実際のデータに合わせて入力してください。また、計算式内の係数や割合が変更される場合は、適宜数式を修正してください。
ChatGPT:
役員に貸与する社宅の賃貸料相当額を自動的に計算するために、以下のエクセルの入力例を作成します。
セルA1: 建物の固定資産税課税標準額(円)
セルA2: 建物の法定耐用年数(年)
セルA3: 敷地の固定資産税課税標準額(円)
セルB1: イの計算式
=IF(A2 > 30, A1 * 0.1, A1 * 0.12)
セルB2: ロの計算式
=A3 * 0.06
セルB3: 賃貸料相当額の計算式
=(B1 + B2) / 12
このように入力することで、イとロの計算結果が表示され、セルB3に賃貸料相当額が自動的に計算されます。また、法定耐用年数が30年を超える場合にはイの計算式で10%を乗じるように条件分岐(IF関数)を使用しています。具体的な数値や単位については、実際のデータに合わせて入力してください。
なお、耐用年数や係数が変更される場合は、適宜数式を修正してください。
小括
実務で使えそうな関数のサンプルをChatGPTで作ってみました。
ChatGPTは表形式であってもコピペで行や列を認識することができます。今回の給与所得控除額を導き出すための関数作成の指示文も、国税庁のサイトから表をコピペしています。
ですが、間に空白やTABが挿入されていると行と列を読み間違えてしまいますので、コピペの後に余分な空白を削除するなどの工夫が必要です。
また、全く同じ指示であってもやり直すことでChatGPTの回答が変わることがよくあります。空白の調整や、やり直しをすることで何度か試してみてください。
次回は、会計事務所の研修プロジェクトの壁打ちをご紹介します。
著者紹介
山田 典正(やまだ・のりまさ)
アンパサンド税理士法人 代表社員
税理士
大手税理士法人での経験を経て、2015年1月に独立開業。現在はアンパサンド税理士法人の代表を務める。
中小同族会社の税務相談・経営周り全般の相談から大手上場企業の税務相談まで幅広い分野で活躍。
事業承継、組織再編、連結納税、国際税務、事業計画策定、補助金・融資の支援と広範囲にわたる業務実績を有する。
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