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旬刊『経理情報』2024年9月20日号(通巻No.1721)情報ダイジェスト/金融


【金融】資金決済制度に関するWG設置へ─金融審議会総会

去る8月26日、金融庁は第53回金融審議会総会(会長:神田秀樹・東京大学名誉教授)・第41回金融分科会合同会合を開催した。
審議事項は主に次のとおり。

■資金決済制度等のあり方に関する検討

金融担当大臣から、「送金・決済・与信サービスの利用者・利用形態の広がりや、新たな金融サービスの登場も踏まえ、利用者保護等に配慮しつつ、適正な規制のあり方について検討を行うこと」との諮問があり、事務局から主な検討課題として、次の事項が挙げられた。

⑴ 資金決済制度関係〈送金分野〉
・資金移動業者の破綻時には供託手続を通じて国が各利用者に対して還付手続を実施している。その利用者資金の還付手続をより迅速に進めていく観点からどのような制度整備が考えられるか
・さまざまな目的で国境を越えた送金を行うクロスボーダーの収納代行サービスが登場している。こうしたサービスと資金移動業者による送金サービスとの規制の衡平をどのように考えるか

⑵ 資金決済制度関係〈暗号資産等分野〉
・グローバルに活動する暗号資産交換業者が破綻した場合等に、国内の利用者財産の返還を担保するしくみが考えられないか
・特定信託受益権の発行見合い金について、全額を預貯金で管理することが求められている。電子決済手段としての価格安定性、流動性、償還確実性を確保しつつ、管理・運用方法を柔軟化することについてどう考えるか

⑶ その他
・事業者が利用者からの依頼に基づき資金を預かることなく送金したうえで、後日利用者に対して立替金を請求するような取引(立替サービス)が登場している。こうした立替サービスと資金移動業者による送金や貸金業者による与信との関係をどのように考えるか

今後、こうした課題を解決していくべく、「資金決済制度等に関するワーキング・グループ(仮称)」にて、有識者による議論が開始される予定。

■金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」報告

「経済財政運営と改革の基本方針2023」で示された「機関投資家として家計金融資産等の運用を行う、資産運用業の高度化やアセットオーナーの機能強化を強力に推進すべく、資産運用立国の実現に向けた取組を行う」の方針のもと、7月に公表された市場制度ワーキング・グループにおける審議をまとめた報告書が共有された。
報告書では、主に次の点について検討されている。

⑴ プロダクトガバナンスに関する原則の策定

⑵ 金融・資本市場を巡るその他の論点
① 株式決済期間の短縮
② 投資型クラウドファンディング
③ 銀証ファイアウォール規制の見直し


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本記事は、旬刊誌『経理情報』に掲載している「情報ダイジェスト」より抜粋しています。
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