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【会計】結果の確率加重に関する要求事項、検討─ASBJ、金融商品専門委

去る5月25日、企業会計基準委員会は第181回金融商品専門委員会を開催した。金融資産の減損の会計基準の開発に関し、前回(2022年6月1日号(No.1645)情報ダイジェスト参照)示されたステップ2で優先して検討する論点のうち、複数シナリオの考慮を含めた結果の確率加重に関する論点について、検討された。

■ 事務局提案

(1) ECLモデル(IFRS基準)での取扱い

事務局は国際的な比較可能性を確保するため、結果の確率加重の考慮に関して、IFRS9号「金融商品」の次の定めおよび関連する適用指針等をそのまま取り入れる案を示した。なお、議論の展開次第で、ステップ4で別途検討を行うこととする。

・企業は金融商品の予想信用損失を、一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額を反映する方法で見積らなければならない(IFRS9号5・5・17項⒜)。
・予想損失を測定する際には、必ずしもすべての考え得るシナリオを特定する必要はない。しかし、企業はたとえ信用損失が発生する可能性が非常に低い場合であっても、信用損失が発生するリスクまたは確率を、信用損失が発生する可能性と発生しない可能性とを反映することによって、考慮しなければならない(IFRS9号5・5・18項)。

⑵ 日本基準との違い

日本基準では貸倒損失算定の定めがなく、IFRS基準の定めは馴染みが薄いと考えられる。しかし、現行の実務とIFRS基準の取扱いを照らし合わせると、わが国の実務においてこれまでも採用されてきたものが多く、実務上の困難さはほとんど生じないと考えられる。
他方、信用損失が発生するシナリオにおいて、すべての利用可能な証拠によって具体的な複数のシナリオを考慮することは、わが国の実務では一般的ではなく、適用にあたって実務上の困難さが生じる可能性が考えられる。これに対応するため、ガイダンスの例示が考えられるが、ガイダンスがあることで企業各社の実情に応じた判断を阻害する可能性等があるため、特段のガイダンスは追加しない。

■ 専門委員の意見

専門委員からは、事務局提案におおむね賛意が示された。一方、ガイダンスに関しては「例示である旨と、予想信用損失の最も適切な方法を決定するものではない旨を明示すれば、必ずしも阻害要因にはならないのでは」、「ガイダンスを追加しない理由は理解できるが、ステップ2の要求事項を満たしているか否かを判断するためにも、事務局による分析の考え方等を結論の背景などで示すべき」との意見があった。事務局は「検討する」とした。

■ 親委員会での意見

5月31日開催の第480回親委員会でも審議され、委員から「作成者にも利用者にもガイダンスが有用」との意見が聞かれた。事務局から「ガイダンスが要求事項なのか単なる例示なのか不明確。その点も含め検討する」との回答があった。


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