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【会計】リース会計基準の一括借上契約等の取扱い、再検討─ASBJ

去る5月31日、企業会計基準委員会は第480回企業会計基準委員会を開催した。
改正リース会計基準に関する審議が行われた。
主な審議事項は次のとおり。

■ セール・アンド・リースバック取引

第114回リース会計専門委員会(2022年6月1日号(No.1645)情報ダイジェスト参照)に引き続き、セール・アンド・リースバック(S&LB)取引の取扱いについて審議が行われた。
S&LBの売手である借手の会計処理に関して、リースバックがファイナンス・リースの場合に、資産の売却取引を否認して売却損益は認識せず、リースバックがオペレーティング・リースであり収益認識基準等の売却要件を満たす場合は、資産の売却取引から生じる売却損益を全額認識することを認める事務局案が示された。
委員からおおむね賛成の意見が聞かれた。

■一括借上契約およびパス・スルー型のサブリース取引

第114回リース会計専門委員会(2022年6月1日号(No.1645)情報ダイジェスト参照)に引き続き、審議が行われ、次のような再提案が示された。

次の要件をいずれも満たすサブリース(SL)取引では、中間的な貸手は、ヘッドリース(HL)における支払リース料の支払義務を負うことになった時点で損益に計上し、SLにおける受取リース料を受け取る権利が生じた時点で損益に計上する。
① 中間的な貸手は、SLの借手からリース料の支払を受けたときのみ、HLの貸手に支払う義務を負う。
② 契約上のHLとSLの賃料の差額は手数料のみであると判断でき、中間的な貸手は、当該手数料相当額のみに対する権利を有する。
③ 中間的な貸手は、SLの契約条件およびSLの借手が存在しない期間における原資産の使用方法のいずれを決定する権利も有さない。

委員から「3つの要件を満たした場合、PLではグロスで受取と支払のリース料が表示されるのか」との質問に、事務局から「今後検討する」と回答があった。

■ わが国に特有な取引等についての設例

第115回リース会計専門委員会(2022年6月10日号(No.1646)情報ダイジェスト参照)に引き続き、普通借家・借地契約に関するリース期間の設例案の審議が行われた。
設例1の分析内の「本設例の前提条件を考慮した場合、A社が延長オプションの行使を行うのは2回又は3回と判断する可能性があると考えられる」の表記について、専門委員会での「数値があるとミスリードするのでは」等の意見を踏まえ、その表記を削除し、思考プロセスの明確化を行う修正案が示された。
委員から、反対意見は聞かれなかった。


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