見出し画像

どちらがChatGPTによる回答?|【連載】ChatGPTが税理士のパートナーになる未来(第6回・終)

『税務弘報』2023年8月号掲載の特別インタビュー「ChatGPTが税理士のパートナーになる未来—過渡期にあるAIと税務の関係を聞く」では、税理士の業務に対するAIの活用方法や、将来的な共存体制について、積極的なAI活用を試みている税理士の山田典正先生に伺いました。
第5回まででChatGPTの使い方をご紹介してきました。最終回となる今回は趣向を変え、クイズを出題します。(編集部)


質問に対する2つの回答を掲載しています。2つ掲載されている文章のうち、どちらがChatGPTによる回答なのか、ゆっくりとスクロールしながら考えてみてください。

質問
会計について全く知識がありません。BSとPLというものについて、理解があまりないのですが、ザックリとどういうもので、どのような視点で見れば良いのかをできるだけわかりやすく、社会人1年目の人に伝えるように説明してください。 

回答①

バランスシート(BS):これは企業の「財布」のようなものです。特定の日(例えば年度末)に、企業がどれだけの資産(お金や物)を持っていて、どれだけの負債(借金)があるのか、そしてその差分(純資産)がどれだけあるのかを示しています。資産は企業が所有するもの全て(現金、商品、建物など)、負債は返すべき借金、純資産は資産から負債を引いた、企業が実質的に所有している価値を示します。
 
損益計算書(PL):これは企業の「収入と支出の記録」です。1年間で企業がどれだけお金を稼いだか(売上)、そしてそのお金をどれだけ使ったか(経費)を示しています。売上から経費を引いたものが、その年の利益(純利益)となります。
 
これらを見ることで、企業が健全に運営されているか、またはどの部分が改善が必要かを判断することができます。これらの理解は、社会人としての基礎的なビジネススキルとなります。 

回答②

バランスシート(BS):これは決算期末時点でのストックを表す帳票です。左側には資産の部が表示され、会社が所有する現預金や債権・固定資産などが含まれます。右側は負債の部と純資産の部から構成され、その合計が資産の部の合計と一致します。負債はいわゆる返さないといけない・払わないといけないお金、純資産は返さなくて良いお金、つまり株主に帰属する金額となります。純資産は会社への出資や過去の利益の積み上げから構成されます。
 
損益計算書(PL):これは事業年度の1年間におけるフローを表す帳票です。その事業年度で稼ぎ出したお金がどれだけあるかを表します。売上高や営業外収益などの収入項目から、売上原価・販売管理費・営業外費用という収入項目を差し引いて利益を算出します。それがその会社が1年間でどれだけ稼いだかの成績表になります。
 
BSとPLは会社の歴史を表すもので、特にBSは設立時のBSから毎年のPLが積みあがってきて今のBSが構成されるものであり、会社の歴史が刻まれています。これらの理解は、全ての社会人が必要とする基礎的なビジネススキルです。

さて、回答①と②、どちらがChatGPTによる回答でしょうか?




















ChatGPTの回答は……回答①でした!
ちなみに回答②は、山田典正先生による回答です。


小括

本記事をご覧いただき、ありがとうございます。どちらがGPTの回答であるかはわかりましたか?
 
「社会人1年目にわかるように伝える」という趣旨からいうと、GPTの回答の方がわかりやすかったですね。専門的な内容を専門知識がない人に伝えるには、専門用語を抽象化して伝える必要がありますが、これはスキルが求められることだと思います。
 
自分の回答とGPTの回答を比較して参考にすることで、伝え方のスキルを磨いていくことができそうです。


著者紹介

山田 典正(やまだ・のりまさ)
アンパサンド税理士法人 代表社員
税理士
大手税理士法人での経験を経て、2015年1月に独立開業。現在はアンパサンド税理士法人の代表を務める。
中小同族会社の税務相談・経営周り全般の相談から大手上場企業の税務相談まで幅広い分野で活躍。
事業承継、組織再編、連結納税、国際税務、事業計画策定、補助金・融資の支援と広範囲にわたる業務実績を有する。


〈『税務弘報』のご案内〉 

月刊誌『税務弘報』では、最新の税務問題をいち早く解説し、周辺知識を取り込んだ幅広い構成で解説しています。
バックナンバー定期購読もご用意。ぜひご活用ください!


#中央経済社 #話題のテーマ #税務弘報 #税務 #税法 #会計 #税理士 #会計士
#AI #ChatGPT #プロンプト #エクセル #仕事 #AIとやってみた  

この記事が参加している募集