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【会計】リース会計基準の変動リース料における特例等、検討─ASBJ

去る5月17日、企業会計基準委員会は第479回企業会計基準委員会を開催した。
主な審議事項は次のとおり。

■ 改正リース会計基準

第113回リース会計専門委員会(2022年5月10日・20日合併号(No.1644)情報ダイジェスト参照)に引き続き、変動リース料について審議が行われた。事務局案は次のとおり。

(1) 変動リース料の定義

IFRS号「リース」における定義を主要な定めとして採り入れる。

(2) リースに組み込まれたデリバティブの取扱い

現行の定めに従う。

(3) リース負債の計上額に含める変動リース料の範囲

国際的な会計基準と整合的に、指数またはレート(指数等)に応じて決まる変動リース料はリース負債の測定に含め、それ以外の変動リース料は発生時に損益で認識するとする。

(4) 指数等に応じて決まる変動リース料に係るリース負債

① 当初測定
参照する指数等が、リース開始日以降リース期間にわたり変動しないとみなしてリース負債を測定する。
ただし、リース負債の計上額を算定するにあたり、次の(i)、(ii)のいずれも満たす場合には、変動リース料の指数等の将来の変動を見積り、見積られた指数等を用いて変動リース料に係る支払額を算定することを、原資産をBSにおいて表示したと仮定した場合の勘定科目ごとに会計方針として選択できるとする、わが国特有の特例を定める。

(i) リース開始日現在の指数等がリース期間にわたり変動しないものとみなすことが合理的ではない。
(ii) リース開始日時点で指数等の将来の変動を見積るための十分な情報が入手できる。

② 再測定
IFRS16号の定めを主要な定めとして採り入れる。

(5) 市場賃料等を踏まえて見直されるリース料

不動産賃貸借契約における市場賃料等を踏まえて見直されるリース料は、IFRS号の実務の取扱いを明記する。
* 
委員からは、基本的な方向性について異論は聞かれなかった。

■ 金融資産の減損

第180回金融商品専門委員会(2022年6月1日号(No.1645)情報ダイジェスト参照)に引き続き、論点間の関連が整理され、そのなかの「債務不履行(デフォルト)」の定義について審議が行われた。
債務不履行の定義については、ステップ2ではIFRS9号「金融商品」における定めをそのまま取り入れ、会計基準上では債務不履行を定義せず企業が信用リスク管理で用いている定義を用いるものとするが、首尾一貫性を確保するためのバックストップとして日以上の延滞を債務不履行とみなす反証可能な推定規定を設けるとの案が示された。
委員からは、定義そのものについて異論は聞かれなかった。


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