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【会計】電子決済手段の期末時の評価等、検討─ASBJ、実務対応専門委

去る3月14日、企業会計基準委員会は第156回実務対応専門委員会を開催した。
第155回(2023年3月20日号(No.1672)情報ダイジェスト参照)に引き続き、資金決済法上の「電子決済手段」の発行・保有等に係る会計上の取扱いについて審議された。
また、3月22日開催の第498回親委員会でも本テーマについて審議されている。

■電子決済手段の期末時の評価

事務局は次の提案を示した。

電子決済手段の貸借対照表価額は、原則として、電子決済手段の券面額とする。また、一定の場合には、企業会計原則注解(注18)に従って引当金の計上の要否を判断することが考えられる旨を結論の背景に記載する。

専門委員からは「引当金について、債権としての性格を重視するのか」といった質問があり、事務局は「通貨的なものとして持っているのだとすれば、必ずしも債権に対する貸倒引当金とすると考えなくてもよいと思われる」と回答した。

■キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲

事務局は次の提案を示した。

⑴実務対応報告の適用範囲に含まれる電子決済手段を、企業会計審議会から公表されている「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準」(以下、「CF作成基準」)および「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準注解」に定められている資金の範囲の「現金」に含める。
⑵CF作成基準においては、現金に含まれる資産を列挙する形で定義されているため、要求払預金に類似する性格を有する電子決済手段が直接的には現金には含まれないと考えられる。したがって、「特定の電子決済手段」を現金に含めるように、CF作成基準の一部改正を行う。

専門委員からは、「割引発行が仮にされる場合、投資的な話として整理するのか等の検討が必要では」との意見が聞かれ、事務局は「法令上可能であるが、実際に行われるかは想定できていない状況。券面額で発行するものをどのように考えていくか等、今後検討していきたい」と回答した。
第498回親委員会では、委員から「電子決済手段の性質上、評価については預金に準じて、CFについては現金の性格とされており、個々にみると違和感はないが、首尾一貫した説明を整合的にできないか」との意見に、事務局から「既存のものに当てはまらない新しい商品であるため、どちらかに統一できない。何が一番収まりがいいかという問題」との回答があった。

■適用時期

事務局は次の提案を示した。

⑴本実務対応報告の適用時期
原則的な適用時期:公表日以後適用とする(早期適用については、公表日以後適用し、遡及適用を求めるため不要と考えられる)。
⑵経過措置
特段の措置を設けない。

専門委員からは、「公表直後の適用だと、企業側に十分な時間がないのでは」といった意見が聞かれた。


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