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【会計】単体財務諸表における注記、検討─ASBJ、リース会計専門委

去る11月22日、企業会計基準委員会は第124回リース会計専門委員会を開催した。
主な審議事項は次のとおり。

■表示および注記(単体財務諸表における注記の取扱い)

第116回専門委員会(2022年7月1日号(No.1648)情報ダイジェスト参照)および第481回親委員会(2022年7月10日号(No.1649)情報ダイジェスト参照)での検討を踏まえ、単体財務諸表における表示・注記について、次のような提案が示された。

  1. 定量的な情報を含む「リース特有の取引に関する情報」、「当期および翌期以降のリースの金額を理解するための情報」については、連結財務諸表を作成している場合、単体財務諸表において注記を要しない。

  2. 「会計方針の注記」については、連結財務諸表を作成している場合、単体財務諸表において連結における記載を参照することができる。

  3. 「区分表示の定めに対する補足情報」は単体財務諸表においても注記を求める。

専門委員からは、特段の異論は聞かれなかった。

■金融商品実務指針の改正

リース会計基準の改正に伴う日本公認会計士協会公表の会計制度委員会報告14号「金融商品会計に関する実務指針」の改正について審議された。
次のような事務局案が示された。

  1. リースの貸手に係る預り預託保証金に関する定めは変更しない。ただし、明確化は行う。

  2. リースの借手に係る次の金額については、原則として遡及適用し、使用権資産の取得原価に含めてリース期間にわたり減価償却を行う。ただし、経過措置として、改正リース会計基準適用前に会計処理が行われている金額については、改正リース会計基準適用前の会計処理を継続することを認める。

    • 建設協力金および敷金のうち、将来返還されない額

    • 建設協力金の時価と支払額の差額(現行の金融商品実務指針における長期前払家賃
      また、経過措置として、改正リース会計基準適用前の長期前払家賃の帳簿価額を、適用初年度の期首の使用権資産に含めて処理する方法も認める。

  3. リースの借手に係る将来返還される敷金について、現行の会計処理に加えて、将来返還される建設協力金と同様の会計処理も認める。

  4. 建設協力金および敷金の会計処理に関する定めは、金融商品実務指針から削除し、リース適用指針に含める。

専門委員の「4.では、具体的な会計処理の規定をすべてリース適用指針に記載してしまうと範囲が広くなり過ぎないか」との質問に対し、事務局から「リースの契約に関するものをリース適用指針に移す」との回答があった。


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