ファイナンスを知ってビジネスの基本を押さえる!|#ビジネスパーソンの教養
こんにちは。中央経済社note編集部の経営実務書担当です。
社会人としての新生活がはじまったばかりの方も多いのでは。きっと未知なる環境への期待とやる気に満ちあふれた毎日をお過ごしのことと思います。
本日は、そんなみなさんのやる気につけ込む応える、ほどよい手応えのある1冊をご紹介します。
山下章太 著『金融マンのための実践ファイナンス講座〈第3版〉』
社会人として知っておいて損はない知識、ファイナンス
ビジネスパーソンとして仕事を始めるうえで、自分の仕事に直接関わりはないけれど、知っておいて損はない知識はたくさんあります。たとえばお客さんの心をつかむマーケティングの基本、会社の数字を読み取る簿記や会計の知識、税金のこと、労働に関する法律などなど……。その中の1つに、ファイナンスがあります。
ファイナンスとは、ざっくり言うと会社が事業のためにお金を集めるしくみです。一般に、会社は事業を行うために、金融機関から借入したり、株式を発行したり、さまざまな方法でお金集め=資金調達をします。つまり、ファイナンスはほぼすべてのビジネスに密接に関わっています。ファイナンスについて知ることは、ビジネスの基本を押さえることに直結するのです。
基本はわかった! でも次は?
実際に、ファイナンスについて知りたい! という人は数多くいて、世の中にはたくさんのファイナンス解説本があります。特に「ビジネスパーソンの教養として知っておきたい」というニーズは高く、良質な入門書もたくさんあります。一方で、ファイナンスの理論は数学の知識を前提とするため、そうした「ざっくりと考え方を理解する」ための入門書か、数式を使いこなして複雑な商品を組成する実務担当者向けの専門書に二極化する傾向にありました。ですので、入門書を読み終えた読者が次のステップに進む際の書籍の選択肢が、あまり充実していなかったのです。そのギャップを埋め、基本を知り、その知識を実務に活用できるようになろう! という狙いで書かれたのが本書です。
金融マンにも、そうでない方にも
タイトルにあるとおり、本書は銀行や証券、保険、クレジットカード会社など金融ビジネスに携わる方に読んでいただきたくて誕生した書籍です。「あ、じゃあ私は関係ないね」と思われたみなさん、申し訳ありません……! ですがもう少しだけ、私の話をお聞きください!!
本書は、「金融マン」の方はもちろん、それ以外の業界で働く方にとっても「知っておいて損はない」知識が満載なのです。本書が誕生したのはもう10年以上前になりますが、初版、第2版と読み継がれる中で、業界を問わず幅広いビジネスパーソンに手にとっていただけるようになりました。
それは、冒頭にも触れたように、ファインナンスがすべてのビジネスに密接に関わっていること、それを理解し活用することが幅広く求められるからなのだろうと思います。
実務に活きる知識を身につける!
本書の目指すところは①ファイナンスの基本を知ること、②単なる知識にとどめず、実務に活かすことです。そのため、「資産とは?」「事業価値とは?」といった言葉の説明をはじめる前に、たくさんの小さな事例を提示して、まずはざっくりとファイナンスのイメージをつかんでもらう序章を設けています。それぞれの事例は、ビジネスの実際の場面で出てきそうな会話文で構成されており、「あれ、そういえばこんな話を上司がしていたなあ」と自分の経験に引きつけて理解することができます。
ただ、本書の構成上、用語の説明が後から出てくるので、ファイナンスについて、全くはじめて触れる方だと、ややとっつきにくいところがあるかもしれません。用語の意味から知りたい方は、わからない言葉が出てきたら、第1部以降の解説をお読みください。もちろん、まずは全体のイメージをつかむため、頭から読み進めていただいてもOKです。
図表やグラフで視覚的に理解
ファイナンスは数学の理論を前提としていると申し上げたように、ファイナンスを理解する上では数式での解説は避けて通れず、そこがファイナンスを難しいと思わせる要因の1つになっています。本書では、難解な数式はなるべく使わないようにして、やむを得ず数式を使って説明する場合も(どうしても出てこざるを得ないところがあります……)、それを図やグラフに表すことで、「数式を見なくても何となく考え方はわかった!」となれることを目指しています。
できることなら数字なんて見たくない……そんなものは高校時代の思い出と共に封印したよ……という方にも、きっとお読みいただけると思います。
冒頭で「ほどよい手応えのある」と申し上げましたが、本書の読者として、著者は「事業会社の中間管理職」「役員クラス」を挙げています。それだけ、ファイナンスは企業活動と根幹を支える概念の1つだと言えるでしょう。
これからの社会人生活を共に歩む1冊として、本書を手にとっていただけると嬉しく思います。