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【会計】税効果会計、STO公開草案等のコメント対応、検討─ASBJ

去る7月19日、企業会計基準委員会は第483回企業会計基準委員会を開催した。主な審議事項は次のとおり。

■法人税等会計基準等の改正

第80回税効果会計専門委員会(2022年7月20日号(No.1650)情報ダイジェスト参照)に引き続き、企業会計基準公開草案71号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)」等に寄せられたコメントへの対応につき審議が行われた。

⑴ 税金費用の区分

対象となる取引の範囲について、結論の背景で具体例を示してほしいとのコメントに対し、事務局は、仮に記載するとしてもその例に限定されるわけではなく、今後の会計基準等の改正で新たな取引等が生じ得るため、具体例の追加は行わないとする対応案を示した。
委員からは「具体例の記載は参考になるのでは」との意見が出された。

⑵ グループ法人税制が適用される場合の子会社株式等の売却に係る税効果

寄せられたコメントは次の2つの論点に整理され、それぞれの分析が示された。

売却損益の繰延べに係る一部差異と、子会社に対する投資に係る一時差異との間で、繰延税金資産・負債の認識について異なる取扱いを設けることが合理的か否か。
 両者の性質は同じとはいえず、一定の合理性がある。
売却損益の繰延べに係る繰延税金資産・負債の認識について、連単で異なる取扱いを設けることが合理的か否か。
 税引前当期純利益と税金費用を合理的に対応させる税効果会計の目的を優先させるため、連結のみ例外的な取扱いを設けるべき。

委員からは特段の異論は聞かれなかった。

■STO公開草案・ICO論点整理

第146回実務対応専門委員会(2022年7月20日号(No.1650)情報ダイジェスト参照)に引き続き、実務対応報告公開草案63号「電子記録移転有価証券表示権利等の発行及び保有の会計処理及び開示に関する取扱い(案)」(以下、「公開草案」という)および「資金決済法上の暗号資産又は金融商品取引法上の電子記録移転権利に該当するICOトークンの発行及び保有に係る会計処理に関する論点の整理」(以下、「論点整理」という)に寄せられたコメントへの対応につき、審議が行われた。

⑴ STO公開草案

論点整理で示された、STOの発行および保有に関する一部の論点を実務対応報告で取り扱わないこととした方向性について、同意コメントが多数あったことを踏まえ、当初案どおりとする事務局案が示された。
委員から特段意見は聞かれなかった。

⑵ ICO論点整理

論点整理に寄せられたコメントの要旨が紹介された。基準開発の時期について、ほとんどの回答者からICOトークンの発行および保有に係る会計処理に関して、監査上、税法上の観点から速やかに基準開発に着手すべきとのコメントがあった一方、国際的な基準開発が行われてから着手すべきとの反対意見も1通寄せられた。


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