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【会計】グローバル・ミニマム課税の実務対応報告案、公表─ASBJ

去る2月7日、企業会計基準委員会は第495回企業会計基準委員会を開催した。
主な審議事項は次のとおり。

■グローバル・ミニマム課税に関する改正法人税法への対応

第494回親委員会(2023年2月10日号(No.1668)情報ダイジェスト参照)に引き続き、グローバル・ミニマム課税に関する改正法人税法への対応が議論され、実務対応報告公開草案64号「グローバル・ミニマム課税に対応する法人税法の改正に係る税効果会計の適用に関する当面の取扱い(案)」について、委員全員の賛成で公表議決された(2月8日公表。コメント期限は3月3日)。

■リース会計基準の改正

⑴減損会計基準等の改正案

第118回リース会計専門委員会(2022年8月10日号(No.1652)情報ダイジェスト参照)の議論を踏まえ、「固定資産の減損に係る会計基準」(減損会計基準)、企業会計基準適用指針6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」の改正について再提案が示された。
短期リース・少額リースに関する簡便的な取扱いを適用しているリースについて、当初提案の未経過リース料の現在価値を帳簿価額とみなして減損会計基準の対象とする取扱いを削除し、一律に減損会計基準の対象としないこととした。
委員からは、特段の反対意見は聞かれなかった。

⑵会計基準等の文案

第127回リース会計専門委員会(2023年2月20日号(No.1669)情報ダイジェスト参照)に続き、リース会計基準、適用指針および設例の文案検討が行われた。

■金融商品の減損

第194回金融商品専門委員会(2023年2月20日号(No.1669)情報ダイジェスト参照)に引き続き、次の論点について審議が行われた。

⑴貸付金の測定

貸付金の測定に関して、次の論点の検討が行われた。

①貸付金に関する手数料の取扱い
実効金利の不可分の一部である手数料を実効金利の調整として取り扱うIFRS9号「金融商品」の取扱いを原則として取り入れつつ、次のような事務局案が示された。

(ⅰ) 手数料について次の条件のもとで実効金利に含めず、区分して収益認識する。
a 特定の役務に対する手数料であることが明確である。
b 手数料の料金設定が対応する役務との関係で合理的である。
c 手数料が対応する貸付金の金利水準を調整するものではない。
(ⅱ)手数料について同種の契約とグルーピングして予想存続期間にわたり認識する。

委員からは、「(ⅰ)のcは、aとbが満たされれば自明では」との意見が聞かれ、事務局から「手数料を金利により調整する商品も見受けられるため、追加した」との回答があった。

②償却原価の償却方法
IFRS9号では採用されていない定額法をオプションとして採用することに関して国際的に説明を行っていく場合、理屈と実務上の負荷の両面からの説明が必要との事務局案が示された。
委員からは「簡便法は理屈ではないので、重要性で検討しては」などの意見が聞かれた。

⑵金融保証契約の発行者側の取扱い

金融保証契約を予想信用損失モデルの適用対象とすることを前提として、発行者の会計処理について、次の事務局案が示された。

  • IFRS9号の金融保証契約の定義や、金融保証契約の契約当初に公正価値で認識するとする定めを取り入れる。

  • IFRS9号の損失評価引当金の金額と当初認識額から収益認識累計額を控除した金額のいずれか高い額で測定する定めを取り入れつつ、会計方針の選択として金融保証契約と予想信用損失を別個に会計処理することができることとする。

委員からは、おおむね賛意が示された。


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