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【会計】リース会計基準は新規の形とする方向─ASBJ、リース会計専門委

去る2月16日、企業会計基準委員会は第128回リース会計専門委員会を開催した。
主な審議事項は次のとおり。

■賃貸等不動産時価開示会計基準等の改正

第126回専門委員会(2023年2月10日号(No.1668)情報ダイジェスト参照)に引き続き、企業会計基準20号「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」(以下、「賃貸等不動産時価開示会計基準」という)等の改正について審議が行われた。
事務局より、前回提案から次の①②は変更せず、③④を変更する再提案が示された。

① 棚卸資産に分類されている不動産以外のものであり、賃貸収益またはキャピタル・ゲインの獲得を目的として借手が使用権資産の形で保有する不動産を賃貸等不動産の定義に含める。
② 賃貸等不動産時価開示会計基準等の対象範囲を変更しない。
③ 賃貸等不動産の定義を満たす使用権資産について期末の時価の注記の対象外とする。
④ 賃貸等不動産の定義を満たす使用権資産の貸借対照表計上額および期中における主な変動については、時価を注記する所有資産である賃貸等不動産の注記事項とは区別して注記を行う。

専門委員から「④でどのように区分するかの具体的イメージを結論の背景に記載してほしい」、「貸借対照表に載っているものの時価注記は利用者として有用」との意見が聞かれた。
また、去る2月20日開催の第496回親委員会でも本テーマが審議され、賛成意見が多く聞かれた。

■適用時期と会計基準の開発方法

⑴適用時期

第121回専門委員会および第487回親委員会(2022年10月10日号(No.1657)情報ダイジェスト参照)での事務局提案同様、会計基準の公表から強制適用までの期間を2年程度とし、早期適用を認めるとの案が示された。また、反対意見が聞かれていることから、公開草案の個別の質問事項とする。
専門委員からは、「3年は必要ではないか」との意見が挙がった。
また、第496回親委員会でも本テーマが審議され、2年という事務局案に賛成意見が聞かれた一方、「システム対応が本当に間に合うか気になるところ」との意見も聞かれた。

⑵会計基準の開発方法(新規または改正)

基準の改正に際し、削除する項目や枝番となる項番号が多く読みづらく感じるという意見が聞かれていたため、これまでの現行の基準の改正という形ではなく、新しい会計基準・適用指針とする案が示された。
専門委員からは、「他基準の参照の確認など事務局は大変だと思うが、基準の利用者にとっては歓迎」と賛成意見が聞かれた。
第496回親委員会でも、特段の反対意見は聞かれなかった。

■文案検討

第127回専門委員会(2023年2月20日号(No.1669)情報ダイジェスト参照)に引き続き、リース会計基準、同適用指針、設例の文案検討が行われた。
設例について、前回示されていなかったリースの識別についての文案が追加された。設例1では、リースの識別に関するフローチャートが盛り込まれた。

第496回親委員会で、事務局から、あと数回の審議で公開草案の公表議決を諮ることができるのでは、との感触が示された。


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