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【法務】サステナビリティ情報等に関する開示府令等改正案、公表─金融庁

去る11月7日、金融庁は、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案を公表した。
本年6月に公表された金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告(WG報告)の提言を踏まえたもの。コメント期限は12月7日。
主な改正内容は次のとおり。

■サステナビリティに関する企業の取組みの開示

⑴サステナビリティ全般に関する開示

①サステナビリティ情報の「記載欄」の新設
開示府令を改正する。有報等に「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄を新設し、次の内容を記載する。

  • 「ガバナンス」・「リスク管理」→必須記載事項

  • 「戦略」・「指標及び目標」→重要性に応じて記載

また、サステナビリティ情報を有報等の他の箇所に含めて記載した場合には、サステナビリティ情報の「記載欄」で当該他の箇所の記載を参照できる。

②将来情報の記述と虚偽記載の責任および任意開示書類の参照
開示ガイドラインを改正する。サステナビリティ情報をはじめとした将来情報の記載について、将来情報に関する経営者の認識およびその前提となる事実や仮定等について合理的な記載がされる場合等には、その将来情報と実際の結果が異なっても、ただちに虚偽記載の責任を負うものではないことを明確にする。
サステナビリティ情報や取締役会等の活動状況の記載については、その記載情報を補完する詳細な情報について、任意に公表した他の書類を参照することができることを明確化する。また、当該任意開示書類の参照自体が有報等の重要な虚偽記載等になり得る場合を除けば、単に任意開示書類の虚偽をもってただちに虚偽記載等の責任を問われるものではないことを明確化する。

⑵人的資本、多様性に関する開示

開示府令と開示ガイドラインを改正する。人材の多様性の確保を含む人材育成の方針や社内環境整備の方針および当該方針に関する指標の内容等について、必須記載事項として、サステナビリティ情報の「記載欄」の「戦略」と「指標及び目標」において記載を求める。
また、女性活躍推進法等に基づき、「女性管理職比率」、「男性の育児休業取得率」および「男女間賃金格差」を公表している会社およびその連結子会社に対して、これらの指標を有報等においても記載を求める。
なお、これらの指標を記載するにあたって、任意で追加的な情報を記載することが可能であること、サステナビリティ記載欄の「指標及び目標」における実績値に、これらの指標の記載は不要であることを明確化する。

⑶サステナビリティ情報の開示における考え方および望ましい開示に向けた取組み

2019年3月に公表された「記述情報の開示に関する原則」の別添(サステナビリティ情報の開示について)が取りまとめられた。WG報告で提言されたサステナビリティ情報の開示についての期待等を踏まえたもの。今後、国内外の動向も踏まえつつ、本原則の改訂を行う予定。

■コーポレート・ガバナンスに関する開示

開示府令を改正し、次の記載を求める。

  • 取締役会や指名委員会・報酬委員会等の活動状況(開催頻度、具体的な検討内容、出席状況)

  • 内部監査の実効性(デュアルレポーティングの有無等)

  • 政策保有株式の発行会社との業務提携等の概要

■その他

EDINETが稼働しなくなった際の臨時的な措置として代替方法による開示書類の提出を認めるため、「開示用電子情報処理組織による手続の特例等に関する内閣府令」を改正する。

■施行・適用関係

改正後の規定は公布日から施行する予定。改正後の開示府令等の規定は、2023年3月31日以後に終了する事業年度に係る有報等から適用する予定。


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