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【会計】リース会計基準の文案検討、進む─ASBJ、リース会計専門委

去る3月7日、企業会計基準委員会は第129回リース会計専門委員会を開催した。
主な審議事項は次のとおり。また、本テーマについては、3月8日開催の第497回親委員会でも審議された。

■リース会計基準の結論の背景の文案検討

事務局より、リース会計基準の結論の背景について、今回文案が示され、審議が行われた。

⑴連結財務諸表と個別財務諸表の関係

連結財務諸表と個別財務諸表の関係について、BC13項で次のような文案が示された。

(前略)
 
その結果、本会計基準の適用に関する懸念の多くは、連結財務諸表と個別財務諸表において共通していると考えられ、連結財務諸表と個別財務諸表の会計処理は同一であるべきとする基本的な考え方及び方針を覆すに値する事情は存在しないと判断した。

この箇所について複数の専門委員から、「具体的に、どのような懸念があったかを列挙して」との意見が挙がった。

⑵リース開始日の使用権資産・リース負債の計上額と残価保証

リース開始日の使用権資産およびリース負債の計上額について、BC35項にて、借手のリース料は、借手が借手のリース期間中に原資産を使用する権利に対して貸手に行う支払として「残価保証に係る借手による支払見込額」の支払を定めている旨の文案が示された。
専門委員から、「残価保証の支払見込額を、実務上計算するのは難しい。簡便法を認めては」との意見が聞かれた。

第497回親委員会において、委員から「全体的に、新しい処理を採用した理由として『IFRS16号「リース」との整合性』と記載されているものが多いが、それだけでなく、なぜ採用したのかの理由を加えてほしい」との意見が聞かれた。

■リース会計基準・適用指針・設例の文案検討

これまで審議されてきたリース会計基準・適用指針・設例に関して、修正案が示され、審議が行われた。
第496回親委員会(2023年3月10日号(No.1671)情報ダイジェスト参照)で意見が聞かれていた、貸手が供与する知的財産のライセンスの付与に関してソフトウェアとハードウェアが不可分で一体となっているものの取扱いについては、「独立したリースの構成部分」として、IFRS16号と同様の取扱いとする旨の記載が新たに追加された。

■今後の審議予定

現状で文案が示されていない適用指針の結論の背景と、「公表にあたって」の質問文の審議を行ったうえで、親委員会の議決を行う予定。3月決算が迫っているので、コメント期限を延ばすかどうかも検討する旨が事務局から示された。


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