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【会計】自己に割り当てた暗号資産に関する議事概要、公表─ASBJ

去る11月7日、企業会計基準委員会は第490回企業会計基準委員会を開催した。
主な審議事項は次のとおり。

■ICOトークンの発行・保有等に係る会計上の取扱い

第489回親委員会(2022年11月10日号(No.1660)情報ダイジェスト参照)に引き続き、2023年度税制改正要望に関連して、暗号資産の発行者が発行時に自己に割り当てた暗号資産の会計上の取扱いについての質問への対応が審議された。
自己に割り当てた暗号資産につき、時価評価されないとの事務局分析に異論は聞かれず、その審議内容を議事概要別紙として公表することが了承された(https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/20221107_490g_02.pdf)。

■資金決済法上の「電子決済手段」

第149回実務対応専門委員会(2022年11月10日号(No.1660)情報ダイジェスト参照)に引き続き、第1号電子決済手段の発行および保有に係る会計処理について、次の事務局案が示され、審議された。

保有者において、資産の認識・認識の中止の時点は受渡日とし、原則として、券面額に基づく価額をBS価額とする。また、取得価額と券面額が異なる場合には、差額は当期の損益として計上する。
発行者において、負債の認識および認識の中止を受渡日で行う。期末における評価は、債務額をもってBSに計上する。

委員から特段の意見は聞かれなかった。

■リース会計基準の改正

⑴借地権

第122回リース会計専門委員会(2022年11月10日号(No.1660)情報ダイジェスト参照)に引き続き、借地権の取扱いが審議された。
事務局から、「借地権の対価として授受される権利金は、使用権資産の取得原価に含め、当該権利金もリース期間にわたり償却する。また、改正リース会計基準等の適用前に無形固定資産に計上された権利金について、経過措置を設ける」とする案が示された。
委員からは「経過措置は詳細に検討すべき」との意見が聞かれた。

⑵借手の表示・注記

第122回専門委員会に引き続き、借手の表示・注記の審議が行われ、次の事務局案が示された。

① 注記事項について、財務諸表利用者の利便性を考慮し、それぞれ性質の類似する項目ごとに会計方針の注記等の4つの項目に分類する。
② 短期リースのリース料と少額資産のリースのリース料の取扱いを一部修正する(両リースのリース料の合算の開示を認める等)。

委員からは、「②の合算した情報に有用性があるか疑問」といった意見が聞かれた。

⑶IFRS16号「リース」における設例の取扱い

第122回専門委員会に引き続き、「IFRS16号の『設例1―鉄道車両』、『設例5―トラックのレンタル』、『設例6―船舶』、『設例7―航空機』は採り入れないが、リースの識別における指図権の思考プロセスを示すためのフローチャートを取り入れる」事務局案が示された。
委員からは特段の意見は聞かれなかった。

⑷リース会計基準改正に伴う他の基準の修正

以前提案された不動産流動化実務指針等の改正案を一部修正した案が示され、委員からは特段の意見は聞かれなかった。

■金融資産の減損

第189回金融商品専門委員会(2022年11月10日号(No.1660)情報ダイジェスト参照)に引き続き、次の追加的な検討を行うこととした事項について、事務局案が示され、審議された。

⑴信用リスクを見積る期間について、予想存続期間に関する定めの例外として、1年未満の場合には見積期間を1年とすることをオプションとして認める。
⑵マネジメント・オーバーレイについて特段の記載を行わない。

委員からは特段の反対意見は聞かれなかった。


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