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【会計】第1号電子決済手段の取扱いを検討─ASBJ、実務対応専門委

去る10月20日、企業会計基準委員会は第150回実務対応専門委員会を開催した。第149回(2022年10月1日号(No.1656)情報ダイジェスト参照)に引き続き、資金決済法上の「電子決済手段」の発行・保有等に係る会計上の取扱いについて審議された。今回は第1号電子決済手段が取り上げられた。

■認識および認識の中止の時点

事務局は、第1号電子決済手段が、送金決済・手段として利用される通貨、通貨代用証券および預金と差異はないと考えている。それらの資産と同様に、認識および認識の中止の時点を受渡日として定めることを提案した。
専門委員からは、「ブロックチェーン上での書換えがなく帳簿の書換えのみでも改正資金決済法上の電子情報の処理組織を用いた移転とみなし、受渡しが行われたとするのは、改正資金決済法の電子決済手段の定義と矛盾するのでは」との懸念が示された。
事務局は「現状では、どのような制度設計が想定されているかわかりかねるが、実際にはブロックチェーンが書き換わったあと、帳簿残高も書き換わることはあると思われる。書き換えなければ資金決済法に抵触するかは確認する」と回答した。

■測定

事務局による提案は、次のとおり。

  • 原則として、券面額に基づく価額を貸借対照表価額とする。

  • 取得価額と券面額が異なる場合には、差額は当期の利益として計上する。

専門委員からは、おおむね賛意が示され、「通貨と同様の取扱いで特段問題はないのでは」、「基準化する際は、電子決済手段の特徴を記載し、その特徴を踏まえたうえで券面額に基づく価額で評価する旨を明記するのはどうか」といった意見が聞かれた。

■発行者における会計処理

事務局より、電子決済手段の負債としての性質と負債の認識および認識の中止に関する分析が示された。そのうえで、具体的な取扱いを明らかにするため、第1号電子決済手段の認識および認識の中止を受渡日で行うことを明記する提案がなされた。
専門委員からは、特段の異論は聞かれなかった。


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